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obihirorabbit |
その理由は本体下部に配置されたホームボタンです。 縦に長い長方形の下部に丸を一つ描けば、iPhoneになる。たったそれだけでiPhoneと分かる図になるのです。 ところが、iPhone Xはホームボタンを廃止して、上下左右にベゼルがほとんどない画面だけの端末になってしまいました。これではただの長方形になってしまう。他社スマホと違いがわからない…… と、思わせて実は違うのがiPhoneの凄いところなのです。
画面上部に、底辺の短い台形状の切り欠きがあります(厳密には直線と円の組合せで、斜めの線で構成されているわけではないのですが)。この部分だけベゼルが画面に食い込む形になっています。
何とも美しい形状ではありませんか(これが美しくないという人もいます。これについては別の記事でいつか書きたいと思います)。ただの台形に見えて、角が適度に丸められている。本体四隅の丸まった角や、画面内のアイコンといった他の部分との調和を崩していない。しかも、台形、と言うところがミソです。 これがただの長方形だと、全く美しくないのです。
ただの長方形として描いたのが、こちらの発売前の予想画像。
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引用元:Martin Hajek |
他のスマホでは、iPhoneなみのデザインのAndroidスマホを作ると豪語していたEssential Phoneが参考になります(ちなみに高級路線に失敗して最近2万円値下げしました)。
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引用元:Essential |
確かに画面いっぱいに広がる画面が美しいです。ですが、画面上部の切り欠きを見てください。正面に搭載しているカメラ1個分だけ、ちょこんとはみ出たような切り欠きがあります。これは日の丸構図に似た構図で、とにかくこの切り欠きだけが目立つデザインになっています。さっきの長方形の切り欠きの違和感もこれと同じ原理だろうと思います。
一方のiPhoneは、これを台形にするなどして画面上端と滑らかにつないだことで、日の丸構図が持つ違和感を相殺(減殺)しているというわけです。長方形よりも台形にした方が美しく見えるのは、一般的な法則のようで、身の回りの至る所で使われているデザインでもあります。サムスン、LG、Essential、そしてGoogleと、各社のスマホが出揃いました(あとシャープのAquos R compactとかも?)。その中で、iPhoneは他社と明らかに違うベゼルデザインになっています。台形の切り欠きがあるのはiPhoneだけです。ホームボタンほど目立たない要素ですが、これを描けば一目でiPhoneと分かるデザインになっています。
無個性なベゼルレススマホがあふれだした今、iPhone Xの切り欠きがスマホのアイコンになる日も近いのではないでしょうか。
実際、日本の大手キャリアの新型スマホへの乗り換えを促す広告では、スマホの簡略化されたイラストが掲載されていますが、iPhone Xのような切り欠きでスマホであること(というかiPhone Xであることなのでしょうけど)を表現しています。